AIを業務に取り入れる企業が増え、次の段階としてAIエージェントを検討している企業も多くあります。ただ、道具があるだけでは導入は進みません。どの業務に使うのか、効果をどう測るのか、社内のルールと体制をどう整えるのか。企業の中で決めることは多く、そのあいだに立って提案し、進行を支える人の役割が欠かせません。
この記事では、①AIエージェントとは何か ②企業の導入はいまどこまで進んでいるか ③導入の進め方と、企業が迷いやすい点 ④導入を前に進める「AIエージェントの法人営業」の仕事 ⑤求められる経験 ⑥ダイブの募集、の順に整理します。
1. AIエージェントとは——生成AIとの違い
総務省と経済産業省が2026年3月に公表した「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」は、AIエージェントを「特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動する AI システム」と定めています。ここでいう自律は「高度な自律状態だけを指しているのではなく、ある程度の自律性を持つものも含む」と注記されています。
チャット型の生成AIは、人が質問や指示を出し、AIが文章などを返す使い方が中心です。次に何をするかは、人がその都度決めます。
AIエージェントは、目的を与えると、そのための手順をAI自身が組み立て、必要に応じて社内のシステムや外部のサービスを使いながら作業を進める仕組みです。たとえば「問い合わせに一次回答する」「社内の資料を探して要点をまとめる」「定型の入力作業を進める」といった、いくつもの手順がつながった仕事を任せることが想定されています。
そのぶん、企業の側で決めておくことも増えます。どの業務を任せるのか、どのデータやシステムに触れてよいのか、最終的な判断を人がどこで確かめるのか。ガイドラインの別添も、AIエージェントは自律的に動くなかで「人間の意図しない商品の注文やファイル削除等の動作を行う可能性がある」として、注意を促しています。導入が「ツールを契約すれば終わり」にならない理由はここにあります。
2. 企業の導入はいまどこまで進んでいるか
AIそのものは、すでに多くの企業に広がっています。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」によると、AIを導入している企業は42.3%、試験利用している企業は15.7%で、合わせて58.0%が何らかの形でAIを導入・試験利用しています(1,794社、2026年4〜6月の調査)。生成AIを導入している企業は、前年度の22.6%から44.0%に増えました。
一方で、AIエージェントはまだ入り口にあります。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査報告書2026」では、AIエージェントを導入済みの企業は7.1%でした。試験導入中・導入準備中が13.9%、検討中が31.2%で、検討中の割合は調査した新しい技術の中で最も高くなっています(東証上場企業などのIT部門長、952社、2025年9〜10月の調査)。
| 調査 | 対象と時期 | 結果 |
|---|---|---|
| IPA「DX動向2026」 | 企業1,794社・2026年4〜6月 | AIを導入・試験利用している 58.0% |
| JUAS「企業IT動向調査報告書2026」 | 東証上場企業などのIT部門長952社・2025年9〜10月 | AIエージェントを導入済み 7.1%/試験導入中・導入準備中 13.9%/検討中 31.2% |
営業の現場でも同じ傾向です。IPAの同じ調査で、生成AIを営業部署で使っている企業は58.3%でしたが、AIエージェントを営業部署で使っている企業は8.1%にとどまります(生成AIを導入・試験利用・検討している企業1,147社)。調査結果も、AIエージェントの利用は「いずれの部署でも低水準にとどまって」いるとまとめています。
ただし、使い道として営業への期待は大きく、JUASの調査で、AIエージェントを利用している、または利用しようと考えている業務領域は、顧客サポートが55.8%、営業が50.3%でした(199社)。AIは広がり、AIエージェントは多くの企業が検討している段階、というのがいまの状況です。
3. 導入の進め方と、企業が迷いやすい点
導入の4つの段階
企業がAIエージェントを業務に取り入れるときは、おおむね次の順で進みます。
| 段階 | やること | 決めておくこと |
|---|---|---|
| ① 業務を選ぶ | 任せる業務の候補を挙げ、効果を測りやすいものから選ぶ | 件数・時間など、何で効果を測るか |
| ② 小さく試す | 1つの部署・1つの業務で試し、効果と手間を確かめる | 試す期間と、続けるかどうかの判断の基準 |
| ③ ルールと体制を整える | 扱ってよいデータ、権限、人が確認する場面を決める | 誰が責任を持ち、誰が運用するか |
| ④ 広げる | 成果を社内に説明できる形にまとめ、ほかの部署へ広げる | 費用と効果の見通し |
企業が迷いやすい点
IPAの「DX動向2026」で、AIの導入・運用での課題として多く挙がったのは「専門人材が不足している」50.1%、「生成AIの効果やリスクに関する理解が不足している」45.8%、「適切な利用を管理するためのルールや基準の作成が難しい」39.7%でした(1,770社)。
中小企業では、使い道を決める前の段階にいる企業が多くあります。中小企業庁の「2026年版 中小企業白書」では、AIを業務で活用していない理由として「活用する業務がイメージできていない」が63.4%で最も多く、「活用を推進する人材が不足している」が40.0%で続きました(3,888社)。
まとめると、企業が迷いやすいのは次の4点です。
- どの業務に使えば効果が出るのかが分からない
- 社内で導入を進める人がいない
- データの扱いや利用のルールが決まらない
- 効果をどう測り、どう説明するかが決まらない
どれも、AIの性能だけでは片づかない問題です。業務の中身を知り、社内の関係者を集め、試した結果を説明できる形にまとめる。こうした役割を誰が担うかで、導入の進み方は変わります。
4. 導入を前に進める「AIエージェントの法人営業」の仕事
AIエージェントの法人営業は、企業に対してAIエージェントを使った施策を提案し、導入に向けた話を前に進める仕事です。
ダイブがいま募集している「AIエージェントの法人営業担当」の求人では、仕事内容を次のように示しています。
- 企業開拓戦略の検討(ターゲット企業の選定、アプローチ方法の整理)
- ドコモ社内向けの説明資料の作成
- 企業向け提案資料の作成
- 企業への提案同行
- 企業からのニーズ対応(社内外との調整、回答案の作成など)
- 案件の進行管理
- その他、企業開拓に付随する業務
AIの仕組みそのものを作るのはエンジニアの仕事です。法人営業は、企業の業務とAIの使い方を結びつけて提案し、導入に向けた話を前に進める役割を担います。3章で挙げた迷いやすい点のうち、とくに「どの業務に使えばよいか」は、提案の段階で企業と一緒に考えることになります。
企業の中でも、導入を進められる人は足りていません。IPAの「DX動向2026」では、「現場の知見と基礎的AI知識を持ち、自社へのAI導入を推進できる従業員」が不足していると答えた企業が69.6%でした(1,782社)。社内に推進役がいない企業ほど、業務とAIをつなぐ提案をする外の担い手の役割は大きくなります。
5. 求められる経験
求人で求めている経験
同じ求人では、必要な経験を次のように示しています。
- 法人向けのIT・DX・AI関連の提案経験
- 提案資料を自走して作成できること
- 複数の部署を巻き込む社内調整・進行管理の経験
歓迎する経験は次のとおりです。
- AI・データ活用の提案、PoC(実証実験)の推進経験
- 小売・流通・サービス業などの知見
- 新規開拓の戦略立案経験
- 大手企業の経営層・部門長クラスへの提案経験
必須として挙がっているのは、AIを開発した経験ではなく、法人向けにIT・DX・AI関連の提案をしてきた経験と、資料づくり・社内調整の力です。ITソリューションやDXの提案をしてきた方が、これまでの経験を生かしやすい仕事です。
経験を生かすために、いまからできること
AIエージェントの提案では、企業の担当者から「何ができて、何ができないのか」「データはどう扱われるのか」と聞かれます。自分で生成AIを業務に使い、得意なことと苦手なことを体で知っておくと、提案の説得力が変わります。
営業の資料づくりやリサーチに生成AIを使う方法は「セールス×AI活用術——営業の提案書作成・リサーチ・商談を3倍速にする実践ガイド」で、AI時代に経験を生かすための考え方は「AI時代のスキルアップ戦略 — プロ人材が今すぐ始めるべき5つのアクション」で紹介しています。
6. ダイブの募集:NTTドコモに駐在するAIエージェントの法人営業
ダイブでは、NTTドコモに駐在し、企業に対してドコモ商材(AIエージェント)を用いた施策の立案、提案や進行を担当する方を募集しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職種 | 【NTTドコモ駐在】AIエージェントの法人営業担当 |
| 契約形態 | 業務委託 |
| 月額報酬 | 45〜60万円(経験・スキルにより決定) |
| 勤務地 | 東京都千代田区(NTTドコモ本社) |
| 勤務形態 | 常駐 |
| 勤務時間 | 9:30〜18:00(実働7.5時間) |
| 休日 | 土日祝、年末年始 |
| 契約期間 | 〜2027年3月(開始時期はご相談) |
| 選考 | 書類選考 → 1次面談 → 適性検査 → 2次面談 → クライアント顔合わせ → 内定 |
求人の詳細と応募は「【NTTドコモ駐在】AIエージェントの法人営業担当」のページからできます。
業務委託で月45〜60万円の報酬を受け取るとき、手元に残るお金は正社員の給与とは計算が違います。社会保険料と税金を差し引いた手取りの比べ方は「業務委託から正社員になるには——3つのルートと、月50万円の手取りを正社員の年収に置き換える計算」で、業務委託・正社員常駐などの働き方の違いは「SES・業務委託・正社員常駐——ドコモグループ案件で働く3つの形、本当の違いと選び方」で整理しています。
よくある質問
AIの開発経験がなくても応募できますか?
この求人の必須要件は、法人向けのIT・DX・AI関連の提案経験、提案資料を自走して作成できること、複数の部署を巻き込む社内調整・進行管理の経験の3つです。AIの開発経験は要件に入っていません。
AI関連の提案の経験が少なくても対象になりますか?
必須要件は「法人向けのIT・DX・AI関連の提案経験」です。AI・データ活用の提案やPoC(実証実験)の推進経験は、歓迎する経験として別に挙がっています。これまでにどんな提案をしてきたかを職務経歴書に具体的に書いておくと、選考で伝わりやすくなります。
正社員として働く仕事ですか?
この求人の契約形態は業務委託で、NTTドコモ本社(東京都千代田区)に常駐して働きます。契約期間は2027年3月までで、開始時期は相談できます。
選考はどう進みますか?
書類選考、1次面談、適性検査、2次面談、クライアント顔合わせを経て内定となります。
まとめ
- AIエージェントは、目的を与えると手順を自分で組み立て、システムやサービスを使いながら作業を進める仕組み。そのぶん、任せる業務・扱うデータ・人が確認する場面を企業の側で決める必要がある
- AIを導入・試験利用している企業は58.0%(IPA)。一方、AIエージェントを導入済みの企業は7.1%、検討中が31.2%(JUAS)で、多くの企業はまだ検討の段階
- 導入は、業務を選ぶ、小さく試す、ルールと体制を整える、広げる、の順に進む。どの段階も、AIの性能だけでは片づかない
- 企業にAIエージェントを使った施策を提案し、導入に向けた話を前に進めるのが「AIエージェントの法人営業」。求められるのはAIの開発経験ではなく、法人向けのIT・DX・AI関連の提案経験と、資料づくり・社内調整の力
- ダイブでは、NTTドコモに駐在するAIエージェントの法人営業担当を募集中(業務委託・月45〜60万円・東京都千代田区)
出典・参考資料
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」本編(PDF・2026年3月31日・AIエージェントの定義)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」別添(PDF・AIエージェントの便益とリスク)
- IPA(情報処理推進機構)「DX動向2026」(PDF・AIの導入状況、部署別の利用、導入・運用の課題、AI導入を推進できる人材)
- 一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)「企業IT動向調査報告書2026」(PDF・新規テクノロジーの導入状況、AIエージェントの利用領域)
- 中小企業庁「2026年版 中小企業白書」第2部第2章第2節(AIを業務で活用していない理由)
- 株式会社ダイブ 求人「【NTTドコモ駐在】AIエージェントの法人営業担当」(仕事内容・応募要件・条件)
ダイブの募集ポジション(NTTドコモグループ駐在)
プロ人材として業務委託/正社員、2つの働き方で参画いただけます。現在の募集は次のとおりです。









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