「客先に常駐する仕事」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはSES(システム・エンジニアリング・サービス)です。多重下請け、使い捨て、低単価——ネット上にはネガティブな声も少なくありません。一方で、同じ”客先常駐”でも、正社員として腰を据えて働くスタイルや、業務委託で専門性を活かすスタイルなど、契約形態によって働き方も収入の仕組みも大きく変わります。
「SES」「業務委託」「正社員常駐」——言葉だけ見ると似ているのに、中身は別物です。本記事では、ドコモグループ案件を例に、この3つの違いを契約・収入・キャリア形成の観点で整理し、どんな人にどの形が向くのかを具体的に解説します。最後に、ダイブが用意している「正社員常駐」と「常駐型フリーランス」という2つの選択肢についても紹介します。
1. SES・業務委託・正社員常駐——言葉の整理から始める
混乱の原因の多くは、用語の重なりにあります。まずは契約形態としての違いを押さえます。
SES(システム・エンジニアリング・サービス)とは
SESは、契約上は準委任契約であることが多い、エンジニア派遣に近い形態です。エンジニアの労働時間に対して報酬が支払われ、成果物の完成責任は基本的に負いません。
問題視されるのは契約形態そのものではなく、その運用のされ方です。
- 多重下請け構造(一次請け→二次請け→三次請け…)で中間マージンが積み重なる
- 案件ごとに現場が変わり、長期キャリアを描きにくい
- 雇用主との関係が希薄で、評価・育成が現場任せになる
つまり、SESという仕組みが悪いというより、「多重下請け構造のSES」が問題視されてきたというのが正確な見方です。
業務委託(フリーランス・個人事業主)とは
業務委託は、企業と個人が雇用ではなく契約を結ぶ形です。準委任契約と請負契約があり、エンジニアやコンサルの場合は前者が中心。働く側は個人事業主または法人として、複数のクライアントと並行して関わることもできます。
- 雇用ではないため、社会保険・有給・賞与は基本的にない
- 税務・年金は自分で対応する
- 案件単価がそのまま報酬に直結しやすい
- スキル・経験で値付けされる世界
40代〜60代で専門性を武器に独立する層が増えており、**「常駐型フリーランス」**として大手案件に長期参画するスタイルも一般化してきました。
正社員常駐(自社雇用+客先勤務)とは
会社と雇用契約を結びつつ、勤務場所が客先(顧客先プロジェクト)になるスタイルです。SES的な響きと混同されやすいのですが、決定的に違うのは雇用主との関係です。
- 月給制、社会保険完備、有給・賞与・福利厚生フル
- 評価・昇給・育成は雇用主(自社)が行う
- 案件終了時のアサインは会社が責任を持つ
- 長期的なキャリアパス(リーダー・マネジャー)が社内に存在する
「客先常駐」という表面の働き方は同じでも、雇用主が誰で、誰がキャリアに責任を持つか——ここが3者を分ける本質です。
2. なぜ「SES=悪」のイメージが広がったのか
SESに対するネガティブな印象は、いくつかの構造的な要因から生まれてきました。
多重下請けによる単価の目減り
エンドユーザー(発注元)が支払う単価と、現場で働くエンジニアの月給の差が、中間業者の数だけ広がる構造です。三次請け・四次請けまで降りてくると、現場で働く人の手取りは元請けの半分以下、ということも珍しくありません。
案件先での孤立
雇用主と現場が分離していると、現場での困りごとを相談できる相手が客先にも自社にもいない、という状況が生まれます。評価や育成は客先のリーダー任せになり、本来の雇用主との接点はごく薄くなる——このパターンが「使い捨て」の体感を強くしてきました。
キャリア形成の見通しが立たない
短期で現場が切り替わり、しかも次の案件は会社が約束してくれない。プロジェクト終了とともに別会社へ移籍を繰り返す——こうした流動性の高さが、長期で経験を積む障害になってきたのも事実です。
一方で、すべての客先常駐がSES的とは限らない
ここが本記事のポイントです。契約形態が「準委任」であっても、運用次第でまったく別物になります。
- 直取引で多重下請けを排除する
- 雇用主が自社で、福利厚生・評価・育成を整える
- 案件アサインを会社が責任を持って継続する
- 同じ顧客に長期で入り、現場での信用を積み上げる
ダイブはこの運用を選んでいる側の会社です。「客先常駐」という言葉だけで判断せず、契約構造と運用の中身を確かめることが大切です。
3. 3者を並べて比較する——契約・収入・キャリア
ここまでの整理を、ひとつの表にまとめます。
| 比較軸 | SES(多重下請け型の典型) | 業務委託(フリーランス) | 正社員常駐(ダイブ型) |
|---|---|---|---|
| 契約形態 | 準委任契約(多くは下請け経由) | 準委任 or 請負(直接または直取引) | 雇用契約(自社社員) |
| 雇用主 | SES会社 | なし(個人事業主・法人) | 自社(ダイブ) |
| 報酬の仕組み | 月給制(中間マージン分が目減り) | 案件単価がほぼ直結 | 月給+賞与 |
| 社会保険・福利厚生 | 会社により差が大きい | 個人で対応 | 完備(健保・厚年・有給・賞与) |
| 次案件のアサイン | 案件次第(流動的) | 自分で開拓/エージェント経由 | 会社がフォロー |
| 評価・育成 | 客先任せになりがち | 自己投資 | 自社の制度で運用 |
| 長期キャリア | 描きにくい | 専門性で勝負 | 社内にパスがある |
| 単価/市場価値 | 中間マージンで圧縮されやすい | スキル次第で大きく伸びる | 賞与・退職金・各種制度込みで評価 |
| 向く層 | 短期で経験を広げたい若手(条件次第) | 40代〜60代の専門家/独立志向 | 20代〜40代中心、長期で基盤を築きたい層 |
同じ”客先で働く”でも、雇用主が誰で、評価と育成の責任を誰が持つかで、3者の本質的な違いが見えてきます。
4. 40代〜50代が「正社員常駐」を選ぶ理由
業務委託で独立する道もある中で、なぜ40代〜50代でも正社員常駐を選ぶ人がいるのか。実際の選択理由を整理します。
理由1:収入の波を会社が吸収してくれる
業務委託は案件と案件の間に空白が生まれるリスクがあります。スキルがあっても、契約更新のタイミングや市場環境で報酬がブレることは避けられません。正社員常駐なら、月給と賞与で収入の見通しが立ち、長期の家計設計がしやすい——これが大きな選択理由になります。
理由2:社会保険・退職金など”見えない報酬”の比重
40代を超えると、月収のインパクトに加えて、健康保険料の事業主負担、厚生年金の積み上げ、退職金制度といった”見えない報酬”の比重が増えてきます。業務委託で同等の手取りを得ようとすると、税・年金・保険を自分で払うぶん、額面はかなり高く設定する必要があります。
理由3:マネジメント側へのキャリアパス
業務委託では「現場のプロフェッショナル」としての価値は伸ばせますが、組織を率いるマネジメント経験は積みにくい構造です。一方、正社員常駐ならリーダー・マネジャー・部長・役員といった社内ポジションへの道が開けています。人を動かす経験を50代以降も積み続けたい人にとって、これは決定的な差です。
理由4:転職市場で”自社雇用”の経歴は強い
将来また転職する場合でも、「自社雇用+客先常駐+長期間の同一案件経験」という経歴は、業界で評価されやすいパターンです。逆に、SES的な短期渡り歩きの経歴は、年齢が上がるほど評価されにくくなります。
40代・50代以降の働き方の選択肢については、40代・50代フリーランスの次の一手——常駐型で経験を武器にする働き方もあわせてご覧ください。
5. SESから抜け出して正社員常駐に移る——応募で見るべきポイント
SESから正社員常駐への移行を検討する人が、応募時に確認しておくとよいポイントを5つに整理します。
1. 直取引かどうか
エンドユーザー(発注元)と直接契約しているかは最重要です。「ドコモ本体や主要グループ会社と直取引で案件を持っているか」——これが多重下請け構造を避けるための最初の判定軸になります。
2. 雇用主としての制度が整っているか
- 健康保険・厚生年金は完備か
- 賞与・退職金制度はあるか
- 有給取得率の実績は公開されているか
- 健康診断・人間ドックなどの福利厚生はあるか
求人票だけでは分からない部分は、面談で具体的な数字を聞くのが確実です。
3. 評価制度が自社で運用されているか
「客先のリーダーが評価する」のではなく、「自社の上長と評価面談がある」「昇給・賞与が自社の制度で決まる」会社かどうか。雇用主が自分のキャリアに責任を持っているかを見極めるポイントです。
4. 長期で同じ顧客に入るスタイルか
数か月単位で現場が切り替わる会社か、年単位で同じ顧客と関係を作る会社か。これは案件の性質と会社のスタンスの両方に左右されます。長期で経験を積みたいなら、**「同じ顧客と5年〜10年単位で関係を持っている」**会社を選ぶのが筋です。
5. キャリアパスの実例があるか
「リーダー・マネジャーに昇格した先輩の事例」「20代から40代までのキャリアパスの実例」が会社側から提示できるかどうか。これが描けない会社は、正社員常駐を謳っていても運用がSES的になっている可能性があります。
6. ダイブの2つの選択肢——正社員常駐と常駐型フリーランス
ダイブは、ドコモグループ案件を直取引で扱い、メンバーが2つのスタイルから選べる体制を取っています。
スタイル1:ダイブの正社員として、ドコモグループ案件に常駐する
ダイブと雇用契約を結び、ドコモグループ各社の現場に常駐するスタイルです。多くのメンバーがこの形で長期的に働いています。
- 雇用主はダイブ:月給制、社会保険完備、賞与あり、有給・産育休など制度フル
- 直取引案件:ドコモ本体・主要グループ会社との直接契約。多重下請け構造はありません
- 長期アサイン:5年〜10年単位で同じ顧客と関係を作るスタイル
- 評価・育成は自社で運用:客先任せにしない
- マネジメントへのキャリアパス:社内のリーダー・マネジャー・役員ポジション
「客先で働きたいが、雇用と評価は自社で守ってほしい」——SESに不満を持って転職を考えてきた人に、もっとも向くスタイルです。
スタイル2:常駐型フリーランスとして、ダイブ経由で参画する
業務委託契約でドコモグループ案件に参画するスタイルです。専門性を武器に、自分でキャリアを組み立てたい層に選ばれています。
- 業務委託契約/案件単価ベースの報酬
- 確定申告・社保は個人対応(情報提供のサポートあり)
- 健康診断や福利厚生サービスの案内など、個人事業主でも負担を増やさず働ける体制
40代〜60代の専門家層に多いスタイルです。詳細はフリーランスの福利厚生戦略——常駐型で手に入る”会社員並み”の備えもあわせてご確認ください。
どちらが自分に合うかは個別相談が早い
「SESから抜け出したいが、正社員と業務委託のどちらが自分に合うか」——経歴を見ながら整理するのが一番早い方法です。ダイブでは、雇用形態を含めたキャリア相談を個別に受け付けています。
募集中のポジション例
- dポイント・d払い新規加盟店開拓営業(東京)
- 地方自治体へのソリューション営業(福岡)
- Jリーグクラブへのアライアンス営業(東京)
- 金融機関へのソリューション営業(大阪)
- 中小企業へのソリューション営業(大阪)
ポジションによって、正社員採用と業務委託参画のどちらでも相談可能です。
まとめ——「客先常駐」のイメージは、契約と運用で大きく変わる
- SES・業務委託・正社員常駐は、表面の働き方が似ていても、雇用主・評価・キャリア責任の所在で本質が異なる
- SESのネガティブイメージは、契約形態そのものより多重下請け運用が原因
- 業務委託は40代〜60代の専門家に向き、正社員常駐は20代〜40代を中心に長期キャリアを築きたい層に向く
- ダイブは直取引のドコモグループ案件で、正社員常駐と常駐型フリーランスの2スタイルを用意
- 雇用形態の選択は、ライフステージや志向で変えてよい——同じ会社の中で切り替えることも可能
SESから抜け出したい、業務委託で独立するか迷っている、正社員常駐で腰を据えたい——どの入口でも、まずは現状の経歴と希望を整理することから始まります。






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